こんにちは!「研究」と「現場」のハイブリッドトレーナー
比嘉一雄(ひがかずお)です‼
前回はマッサージによってミトコンドリアが増えるというお話をさせていただきました。
マッサージでミトコンドリアが増加するなら、
マッサージはダイエットになるのではないか?という旨の、ブログが乱立していました。
しかし、それは間違いです。
その理由を今回は書いていきたいと思います。
その理由は3つります。
1.運動後に限定的である可能性がある
2.エネルギー消費が起こっていない
3.ミトコンドリアが増加しても消費カロリーは増えない
というところにあります。
では、簡単に説明させていただきます!
1.運動後に限定的である可能性がある
まず、1.についてです。
前回紹介した研究報告は、疲れ果てるような運動の後での現象であり、
極めて特殊な状態であることを認識していなければいけません。
リフレッシュ状態で「hunnhunhun~♪」とお店に行き
マッサージを受けるという状態ではないのです。
リフレッシュ状態での研究論文がまだ出ていないので
確定的な事は何とも言い難いですが、
ミトコンドリア生成の指標である「PGC-1α」は
運動後に発現が亢進するタンパク質なので、
運動直後に限定的である可能性が高いのではないかと思われます。
2.エネルギーが消費していない
次に、2.の「エネルギーが消費していない」についてです。
これが最も大きな理由なのですが、
世の中には「エネルギー保存の法則」という絶対的な法則があります。
(wikipedia:エネルギー保存の法則 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E4%BF%9D%E5%AD%98%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87)
脂質はエネルギー貯蔵も担う重要な細胞組織です。
エネルギーが勝手に消滅されることはありえないので、
エネルギーを消費しない限り脂肪は減少しないのです。
マッサージなどの極めて受動的なものによって、エネルギーが消費されることは
考えられません。
もちろんどんなものを塗られても、どんなサプリメントを飲んでも
それだけでエネルギーが消費されることは絶対にないのです。
エステやマッサージで痩せるのは、
それを一生懸命に(能動的に)行なっている
エステティシャンやマッサージ師だけです。
3.ミトコンドリアが増加しても消費カロリーは増えない
最後は、
ミトコンドリアが増加したからといって消費カロリーは増えないからです。
結構、誤解されてる方が多いですが、
ミトコンドリアが増えたからといって、
エネルギーがより多く消費されるわけではないのです。
もし、ミトコンドリアが増加することによって、
消費エネルギーが増加し、それにより痩せることができるのでしたら、
ミトコンドリアを大量に保有するマラソンランナーは、
非常に非効率な体ということになってしまいますよね。
ミトコンドリアが増えたからといって、
同強度で100mを走るのに必要なカロリーは変わりません。
脂質をエネルギー生成に使用するミトコンドリアの増加によって、
脂質の利用量は増えるかもしれなませんが、
その分、糖質の利用量は少なくなるのです。
そして、余った糖質は脂肪に変わってしまいます。
エネルギーを糖質で消費しようが、脂質で消費しようが
「1kcalは1kcal」なので関係ありません。
以前にも書かせていただきましたが、
円で払おうがドルで払おうが「お金はお金」なのと同じです。
ダイエットの大原則のエネルギーの収支は絶対に揺るがないものなのです。
「塗るだけで痩せる!!!」
「飲むだけで痩せる!!!」
という謳い文句にはもう騙されないでくださいね。
大切なのは、しっかりとした食事のコントロールと適切な運動。
そしてそれをストレスとしないライフスタイル作りです。
【今日の一句】
ミトコンドリア 増やしてつくのは 持久力