こんにちは!
「研究」と「現場」のハイブリッドトレーナー
比嘉一雄(ひがかずお)です‼
トレマガvol.17が発売されましたね。
今回の表紙は、研究室の同期の佐々木卓と、私がずっとかっこいいからだ!と絶賛していたレスラーの棚橋弘至。
撮影時の話などを聞くと超うらやましい限りでした…。
棚橋選手も、かなり筋肉マニアみたいで佐々木君も喜んでいました。
いつか一緒にトレーニングしたいと。
トレマガで私と荒川師匠とで連載している「筋肉談義」も好評なので是非読んでみてください^^
さて、今日は「脂肪細胞」について少し書きたいと思います。
まず、「脂肪(脂質)」と「脂肪細胞」の差をご存知ですか?
簡単に説明すると「脂肪」はエネルギーであり、「脂肪細胞」はそのタンクです。
ヒトは約60兆個の細胞からなります。
そのうち脂肪細胞の数は成人健常男性で約300億個と言われています。
60兆分の300億なので0.5%です。意外と少ないですよね。
では、大きさはどうでしょう?
大きさはだいたい成人健常男性で平均直径60-90μm程度です。
大きく肥大しても140-150μmくらいです。
100kgを超えるような巨漢でも150μmを超えることはありません。
という事は、どんどん脂肪を蓄え、太っていくためには、
脂肪細胞、すなわちタンクの数を増やしていかなければなりません。
実際、先行の報告では、
100kgを超える巨漢の男性の脂肪細胞は
その倍の600億個くらいにまでなると言われています。
量を増やすためには、大きさと数を増やす。ごく当然の戦略なのですが、
この数と大きさはどのようなタイミングで変化するのでしょう?
マウスで、大量の栄養素を与え続け、その脂肪細胞のサイズや個数を
観察した研究があります。
その結果、まずはじめに細胞の大きさが変わってきます。
その大きさが一杯になってくると細胞の数が増加し始めます。
さて、それではダイエットという観点から「脂肪」と「脂肪細胞」について
考えてみましょう。
ダイエットとは、脂肪細胞の「サイズ」を減らす行為
です。
残念ながら、サイズだけで、
脂肪細胞の数というのは滅多なことでは減らすことができません。
ですので、一度タンクを増やし、タンクの数を多く持っている人というのは
「太るポテンシャル」を持っているということとも言えます。
一度、太っていたことがある人というのは、
その運命を受け入れながら生きなければいけないのです^^。
かくいう私も少年の時は、目も当られない太っちょ少年でした。
しかし、落ち込む必要はありません。
普通の生活さえしていれば、
「目覚めたらものすごい肥満になっていた」
なんてこともないし、
「いきなりスレンダーになってた」
という事もありません。
要は、
どんな条件下であれカロリーの収支さえコントロールすればいい
のです。
脂肪細胞自体は単なるタンクなのでその数は脂肪率には関係しません。
ただ単にポテンシャルを持っているというだけです。
太っていた人は太りやすいというのは、遺伝的な要因もありますが
太っている人はタンクが多いのでいつでも太る準備ができているのです。
ポテンシャルが高いってどういう事かといいますと、
通常、超過剰にカロリーを摂取した場合、タンクで処理しきれないカロリー
(普通の食事位はほぼ吸収されますが)は脂肪細胞に蓄えられることなく
排泄されることがあります。
しかし、脂肪細胞が大きく、大きいタンクを持っているという事は、
過剰摂取したカロリーが速やかに脂肪細胞に蓄えられやすくなるという事です。
【今日の一句】
ポテンシャル あってもやらなきゃ 目覚めない
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