先日、はなまるマーケットに出させていただいたついでに
「腸腰筋」についておさらいというか、まとめておきます。

腸腰筋は腸骨筋と大腰筋そして小腰筋の3つからできています。
腸骨筋は骨盤と腿の付け根をつなぎ、大腰筋、小腰筋は背骨(下部)と腿の付け根をつないでいます。

主に太ももを引き上げたり、腰を曲げたりの「股関節屈曲」という働きをします。
また、姿勢の維持にも大きな役割を果たしていることもわかっています。
腹筋の奥にある筋肉ですので、直接触れることができず、意識しにくいのもこの筋肉の特徴かと思います。

アスリートの世界では、100mのアサファ・パウエル選手の腸腰筋が
日本の朝原宣治選手の2倍もの表面積を持っていたことで、
「脚が速くなる」、「動きの質が飛躍的に伸びる」などと一躍有名になりました。

それに対し一般の方々に近年、腸腰筋がブームになったのは、
意外なことに「猫背改善」がきっかけです。

あるTV番組で猫背の改善をテーマにした特集で、私の師である石井直方先生が、
姿勢に強く関与していると考えられる「脊柱起立筋」のエクササイズを数週にわたって一般参加の猫背の方々にしてもらいました。
その結果、数週のエクササイズで脊柱起立筋は成長したにもかかわらず、
猫背の改善はできていないということがわかりました。

そこで今度は、「どうして猫背になるのだろう？」と、MRI画像を撮ったところ、
腸腰筋のうちの
大腰筋の大きさが、猫背の参加者は正常の参加者よりも小さい
ということが分かりました。

そこで、今度は、猫背の方に、その場脚上げやお尻歩きなどの腸腰筋のエクササイズを
数週間行なってもらったところ、なんと、
参加者のほとんどの方の猫背が改善されたのでした。

と、その番組の特集ではここまででした。

なんと、その後、予想をしていなかったのですが、
「腸腰筋エクササイズでウエストが細くなった」という参加者が続出したのです。

そこで、腸腰筋エクササイズをすると、お腹が凹むという本を石井先生が書いたところ
ブームが起こったのです。

「猫背の改善」という効果からもわかるように、腸腰筋は姿勢の改善に非常に重要な筋肉なのです。

しかし、腸腰筋のお腹凹ませ効果には注意点が必要です。
それは、大腰筋エクササイズで減ったウエストは、
脂肪が急激に減って痩せたのではなく、あくまでも姿勢改善によるものだということです。

もともと姿勢の悪かった方には絶大な効果が出るかと思いますが、
そうでない人には少々の効果しか望めないでしょう。

やはり体脂肪を減らすには、
エネルギーをたくさん使うか、エネルギーを入れないようにする
ことが最大の近道なのです。

でも、体重よりも見た目の美しさが一番ですよね^^
食事コントロールを行いながら、腸腰筋エクササイズを行う。これは鬼に金棒です！

※腸腰エクササイズURL
http://www.tbs.co.jp/hanamaru/tokumaru/20121022.html

【今日の一句】
脚あげて　手を上げないで　脚上げる