Q.
最近、山歩きを楽しんでいます。歩く前と後に、ストレッチはしていますが、
翌日夕方くらいから徐々に痛みが出てきて、翌々日は最高潮…。階段を下りたり、座っていて立ち上がり歩き出す時には特に痛みを感じます。当日は、お風呂に入って揉みほぐしたり、入浴後シップ剤を貼るのですが…。
筋肉痛を早く解消する方法や、上手な軽減法を教えてください。
A.
暖かくなってきて、ウォーキングやサイクリング、山登り、ランニングなど、
アウトドアなエクササイズを楽しむ人が増えてきてます。
暖かい陽気の中、楽しそうに歩いている人を見ると、心穏やかになりますよね。
今回の質問ですが、運動による筋肉痛を軽減する方法、また、それからの回復の方法を知りたいということですね。
まず簡単に「筋肉痛ってどういうことなのだろう?」
ということを説明したいと思います。
慣れない運動や動作などをして、筋肉に過度な負荷がかかることにより、
筋肉に微少な損傷(一次的損傷)が起こります。
その微少な損傷を修復しようと、
そこに修復のための細胞(白血球やマクロファージなど)が集まってきます。
その細胞が集まることによって、
痛み物質(ヒスタミンやブラジキニン)が分泌されます(二次的損傷)。
これによって痛みを感じる。これが筋肉痛です。
少し難しくなってしまうのですが、階段や山を下る時は、
筋肉が伸ばされながら力を発揮します。
その時の筋肉に対する負荷は、
縮みながら筋肉が力を発揮する時よりも物理的・生理学的に大きくなります。
筋肉に過度な負荷が、かかりやすくなっているのです。
ですから、階段や山を下りたりする動作は筋肉痛になるのです。
筋肉痛を軽減、回復を早くするためには、
一次的な損傷、二次的な損傷にアプローチすることが、求められます。
一次的な損傷に対しては、
抗酸化物質や、BCAAサプリ(筋肉の合成、分解などの時に最も早く使用されるアミノ酸)
などを摂取することで、メカニカルな刺激に対して強くなり有効であると考えられます。
抗酸化物質とは、ビタミンC・Eやポリフェノール、α・βカロチンなどです。
いずれも、ドラッグストアのサプリメントコーナーに置いてあると思いますので、
ぜひとも試してみてください。
抗酸化物質もBCAAも、筋の損傷を抑えるという以外にも、
様々な効果がありますので、摂取することをオススメします。
二次的な損傷に対しては、軽い運動、ストレッチ、マッサージが効果的です。
要は、血液の循環を増やしてあげれば良いのです。
それによって、生成された痛み物質は、
その場に留まる事ができずに流されやすくなるのです。
大切なのは、『軽い』ということです。
運動、ストレッチ、マッサージのどれも強く行うと
、逆効果になってしまう可能性があります。
最後にもう一つ、最高の予防策をお教えしましょう。
それは…
筋肉痛になっておくことです。
「何じゃそりゃ?」と思うかもしれませんが、
これが今考えられる最も有効な筋肉痛に対する策だと思われます。
どういうことかと申しますと、一度、筋肉痛になった筋肉は、
同程度の刺激に対して、非常に強くなるのです。
これは、一次的損傷に対しても、二次的損傷に対しても適応します。
これを、学術的には「繰り返し効果(:Repeated Bout Effect)」といいます。
では、まとめてみましょう。
まず、目標の日(登山や大会など)の
1~2週間前に大きな強度でトレーニングをします。
そして筋肉痛を経験します。
この時は、涙を飲みながら受け入れましょう。
そして、目標の日の前日の夜と当日の朝、抗酸化物質、
もしくはBCAAを摂取します。
そして、当日の夜はマッサージなどでしっかりケアをしましょう。
ちょっと大変ですが、これで間違いなく筋肉痛は軽減され、
回復は早くなると思います。
【今日の一句】
いたいなら 言う事聞いて 疑わず