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脂肪の「分解」「運搬」「燃焼」のメカニズム(2)

前回は脂肪の「分解」について書かせていただきました。 (脂肪の「分解」「運搬」「燃焼」のメカニズム(1))

しかし、体脂肪を減少させるには体脂肪の「分解」だけでは不十分なのです。



脂肪は「分解」された後、「運搬」されて「燃焼」される必要があります。
今回はそのメカニズムを書かせていただきます。

前回、分解されたトリグリセリドは遊離脂肪酸グリセロールに分解されると書きました。
分解された遊離脂肪酸は、血液中に放出されます。

そうした遊離脂肪酸は血液中の「アルブミン」と結合して各組織の筋肉細胞内に「運搬」され、取り込まれるようになります。
細胞内に入った脂肪酸は「β酸化」や「クエン酸回路」内でエネルギーとなり「燃焼」されるのです。



当然、運動などでエネルギーが必要にならなければ、脂肪は燃焼されることはないので、せっかく「分解」され「運搬」された脂肪酸も、脂肪細胞に再度取り込まれてしまうのです。



図

専門家でない人は、ここまでの情報は必要ないかと思いますが、「運搬」「燃焼」の過程を詳しく書かせていただきます。

脂肪酸は各組織の細胞膜を簡単に通過できるのではなく、細胞膜を通過するためにいくつかの行程を要します。

脂肪酸が筋細胞の膜を通過するとき、脂肪酸に補酵素A(CoA)が結合して活性型の「アシルCoA」に変換されます。

アシルCoAが分解される場所は細胞内に存在する「ミトコンドリア」ですが、アシルCoAは、そのままではミトコンドリアの膜を通ることができません。

ここで、アシル補酵素Aをミトコンドリアに運搬する「カルニチン」が登場します

そのカルニチンと結合して、アシルCoAは「アシルカルニチン」になります。
アシルカルニチンになりミトコンドリアの膜を通過したら、カルニチンと離れ「アシルCoA」に戻ります。


ミトコンドリア内のアシルCoAは「β酸化」され、「アセチルCoA」に変換され、「クエン酸回路(TCA回路)」に入り完全に酸化され、水と二酸化炭素に分解されます。

アシルCoAはβ酸化の過程で、炭素の2つ少ないアシルCoA」と「アセチルCoA」になります。

「アセチルCoA」はクエン酸回路に行くのですが、「炭素の2つ少ないアシルCoA」はもう一度β酸化を回り、また「炭素の2つ少ないアシルCoA」と「アセチルCoA」になります。

普通脂肪酸は16-18個の炭素原子を持っているので、8-9度β酸化を回り、8-9個のアセチルCoAを作り出すことになります。
β酸化を一回転するごとにエネルギーが引き出され、さらにできたアセチルCoAがクエン酸回路を回転することで、β酸化で引き出されるエネルギーの3倍以上を引き出すので、脂肪酸が分解される過程で引き出されるエネルギー量は莫大なものになります

また、ここで引き出されたエネルギーはほとんどが「水素(H)」という形です。このままでは運動のエネルギー源として使用できません。

運動のエネルギーは「ATP」というものなのですが、その水素のもつエネルギーによってリン酸がADPに結合してATPができます。 エネルギーを失った水素(H)は酸素(O2)と結合して水になるのです。

これが、脂肪は酸素がないと燃えないと言われる由縁です。ドクター